(a) モード(dt_mode)
各ビット単位に表3-4に示す意味を持ち,表3-4に示すマスク名で参照,更新します。
表3-4に示すビット以外は値に0を設定してください。
表3-4 モードとパラメタ
項目 | マスク名 | 値 | 意味 |
---|
プロトコル種別※1 | MHSC1 | 0x8000 | HSC1手順を使用します。 |
MHSC2 | 0x4000 | HSC2手順を使用します。 |
コンテンション優先種別 | MPRI_P | 0x0010 | コンテンション発生時の優先局です。 |
MPRI_S | 0x0000 | コンテンション発生時の非優先局です。 |
WACK自動送信機能の使用の有無※2 | MWAK_EN | 0x0000 | WACK自動送信機能を使用します。 |
MWAK_DS | 0x0080 | WACK自動送信機能を使用しません。 |
TTD自動送信機能の使用の有無※3 | MTTD_EN | 0x0000 | TTD自動送信機能を使用します。 |
MTTD_DS | 0x0040 | TTD自動送信機能を使用しません。 |
- 注※1
- 使用する手順(HSC1手順/HSC2手順)を選択します。構成定義文の指定と一致させる必要があります。一致しない場合,BT_MDFY関数は異常終了(errno=EINVAL)します。
- 注※2
- 通信管理が自動的に,WACK(一時受信抑止)送信を行うかどうかを指定します。
- 使用を選択すると,HSC-APからBT_RCTN関数が2秒間発行されない場合,通信管理が自動的にWACKを送信します。
- 注※3
- 通信管理が自動的に,TTD(一時送信延期)送信を行うかどうかを指定します。
- 使用を選択すると,HSC_APからBT_WCTN関数が2秒間発行されない場合,通信管理が自動的にTTDを送信します。
(b) タイマテーブルポインタ(dt_timl)
タイマテーブルへのポインタを設定します。このポインタがNULLの場合,構成定義文で指定した値を使用します。構成定義文でも省略した場合,標準値を使用します。
このタイマテーブルと構成定義文で指定した値が異なる場合,タイマテーブルの値を優先します。
- <タイマテーブル形式>
struct tlist {
short tl_rsp; /* 受信監視時間 */
}; |
- tl_rsp:受信監視時間(0.0~102.0(秒))
- 構成定義文(basicline文のresponse_timeオペランド)で指定した受信監視タイマ値を変更します。
- 時間は0.4×nで表現した場合のn(0~255)を指定してください。0を指定した場合,時間監視を行いません。
- 相手局と監視時間値を変える必要があります。相手局と同じ値を指定すると,コンテンションの発生時に,ENQが衝突すると回復できない場合があります。非優先側の時間を優先側より大きくしてください。
- 構成定義文での標準値は3.2秒です。
- このタイマは,次に示す場合に使用します。
- データリンク確立の応答監視時間
- テキスト送信の応答監視時間
- テキスト受信の監視時間
(c) リトライテーブルポインタ(dt_rtyl)
リトライテーブルへのポインタを設定します。このポインタがNULLの場合,構成定義文で指定された値を使用します。構成定義文でも省略した場合,標準値を設定します。このリトライテーブルと構成定義文の値が異なる場合,リトライテーブルの値を優先します。
- <リトライテーブル形式>
struct rlist {
short rl_ENQ; /* 起動時のリトライ回数 */
short rl_txt; /* テキストのリトライ回数 */
short rl_EWK; /* 起動時のWACKリトライ回数 */
short rl_tWK; /* テキスト送信に対するWACK受信リトライ回数 */
short rl_TTD; /* TTD(含むABORT)受信リトライ回数 */
}; |
- rl_ENQ:データリンク確立失敗時のENQのリトライ回数(0~255)
- 構成定義文(basicline文のENQ_retryオペランド)で指定した値を変更します。構成定義文での標準値は7回です。255を指定した場合は,無限回リトライします。
- rl_txt:テキスト送受信のリトライ回数(0~255)
- 構成定義文(basicline文のtext_retryオペランド)で指定した値を変更します。構成定義文での標準値は7回です。255を指定した場合は,無限回リトライします。次に示す場合に使用します。
- テキスト送信に対してNAK受信
- テキスト送信に対して無応答
- データチェック発生時のNAK送信
- 応答催促ENQ受信
- テキスト待ちタイムアウト
- テキスト待ち時不正データ受信
- 交互性不正のACK受信
- rl_EWK:データリンク確立時のWACK受信のENQリトライ回数(0~255)
- 構成定義文(basicline文のENQ_WACK_retryオペランド)で指定した値を変更します。構成定義文での標準値は15回です。255を指定した場合は,無限回リトライします。
- rl_tWK:テキスト送信に対するWACK受信ENQリトライ回数(0~255)
- 構成定義文(basicline文のtext_WACK_retryオペランド)で指定した値を変更します。構成定義文での標準値15回です。255を指定した場合は,無限回リトライします。
- rl_TTD:TTD(ABORT含む)受信時NAKリトライ回数(0~255)
- 構成定義文(basicline文のTTD_retryオペランド)で指定した値を変更します。構成定義文での標準値は15回です。255を指定した場合は,無限回リトライします。