3.1 アソシエーションの確立

上位プログラムは,通信開始をアソシエーション確立によって行います。上位プログラムがACSEのユーザデータを送受信することによって,アソシエーションが確立します。上位プログラムがアソシエーションを確立(活性化)するには,二つの方法があります。

<この節の構成>
(1) 獲得型
(2) 受け入れ型

(1) 獲得型

この方法では,自分から相手のユーザ通信エンティティにアソシエーションの確立要求を行います。

上位プログラムは,相手のユーザ通信エンティティを指定してアソシエーションの確立要求(ENABLE)を行います。その後,相手のユーザ通信エンティティからの受諾応答を受け取り(RECEIVE),アソシエーションの確立が完了します。

また,相手のユーザ通信エンティティがアソシエーション確立要求を拒否した場合は,拒否応答を受け取ります(RECEIVE)。

この場合,非活性化(DISABLE)要求でアソシエーションが解放状態であることをOSI通信機能に知らせます。

(2) 受け入れ型

この方法では,相手のユーザ通信エンティティからのアソシエーション確立要求を待ち,確立要求があれば,それを受け取ります(ENABLE)。

上位プログラムが,相手のユーザ通信エンティティからのアソシエーション確立要求に対して受諾応答を返す(ENABLE)ことによって,アソシエーションの確立が完了します。また,アソシエーション確立要求を拒否する場合は,拒否応答を返します(DISABLE)。

なお,上位プログラムのアソシエーション受け入れ準備が完了していない場合,またはPSAPアドレスが一致しない場合は,OSI通信機能が拒否応答を返します。

アソシエーションの確立手順(同期型の場合)を図3-1に,アソシエーションの確立手順(非同期型の場合)を図3-2に示します。

図3-1 アソシエーションの確立手順同期型の場合)

[図データ]

図3-2 アソシエーションの確立手順非同期型の場合)

[図データ]