2.2.15 HNA2_destinationHNA2用接続先定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド

(1) 機能

HNA2の定義全体で使用する接続先情報を定義します。

HNA2_destination文以後に定義されるHNA2_PU文,560_LU文に対して有効となります。

(2) 定義条件

HNA2_configuration文の下で接続相手数だけ定義します。定義できる数は64までです。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) name
接続先名称 ~<英数字>((14文字以内))

HNA2定義内で固有な接続先名称(システム内で固有な名称)を指定します。

(b) slot_no
HNA2スロット番号 ~<10進数>((1~8))

HNA2_slot文で指定したHNA2スロット番号を指定します。

(c) NSAP_address
相手NSAPアドレス ~<16進数>((42けた))

相手NSAPアドレス(22バイト形式)のうち,ASS(末尾2けた)を除く21バイトを指定します。このオペランドは,NSAPaddrと省略して指定することもできます。

ASSには,slot_noをXNF/ASが自動設定します。なお,異なるHNA2_destination文に同じNSAPアドレス(slot_noを含めた値)を指定してはいけません。

注意事項を次に示します。

  1. X.25PVC時に,NSAP_addressオペランドを指定した場合は,PVC_LCGNおよびPVC_LCNオペランドの指定を無視し,NSAP_addressオペランドの指定値を使用します。
  2. 一般専用線で,NRM2次局接続にNSAP_addressオペランドを指定した場合,XNF/ASはNSAPアドレスを生成しないで,このオペランドの指定値を優先します。
  3. NSAPアドレス(22バイト形式)の内容については,マニュアル「XNF/AS NSAPアドレス概説編」を参照してください。
  4. NSAP_addressオペランドの指定可否を表2-10に示します。

    表2-10 NSAP_addressオペランドの指定可否

    回線種別NLプロトコル
    NRM280PVC80VC84VC
    一般専用線××
    私設パケット交換,公衆パケット交換×
    ISDN-TA(INS-C:回線交換)
    ISDN-TA(INS-P:パケット交換)×
    (凡例)
    ○:NSAP_addressオペランドで指定できます。
    △:NSAP_addressオペランド以外のオペランドでも指定できます(NSAP_addressオペランドでの指定もできます)。
    ×:NSAP_addressオペランドでは指定できません。
(d) PVC_LCGN
論理チャネルグループ番号 ~<10進数>((0~15))

X.25PVC接続の場合,使用する論理チャネルグループ番号を指定します。

(e) PVC_LCN
論理チャネル番号 ~<10進数>((0~255))

X.25PVC接続の場合,使用する論理チャネル番号を指定します。

(f) link_type {VC|PVC}

下位層ネットワークプロトコルがVC/PVC共存の場合,使用するネットワーク層のプロトコルを指定します。省略した場合はVCが仮定されます。

VC:
80/84VCを使用します。
PVC:
80PVCを使用します。

注意事項を次に示します。

  1. 下位層がVCまたはPVCだけの場合,このオペランドの指定に関係なく下位層で指定したプロトコルが仮定されます。
  2. PVCの使用は,上記で仮定されたものを含めて32個までです。
  3. 下位層ネットワークプロトコルは,XNF/AS/WAN定義の場合はline文のline_modeオペランドで定義します。
(g) packet_size {128|256|512|1024|2048|4096}

80PVC使用時,自局パケット長(単位:バイト)を指定します。

このオペランドは,psizeと省略して指定することもできます。また,このオペランドのデフォルト値および最大値は,link文のmax_DPDUオペランドに指定した値以下で,最大のパケット長となります。

このオペランドの指定範囲は,128バイト~上記の最大値となります。

(h) send_window_size
自局送信ウィンドウサイズ ~<10進数>((1~7))《2》

80PVC使用時,自局送信ウィンドウサイズを指定します。送信ウィンドウサイズには,パケット交換網への加入を申請した値を設定します。

このオペランドは,swsと省略して指定することもできます。

(i) receive_window_size
自局受信ウィンドウサイズ ~<10進数>((1~7))《2》

80PVC使用時,自局受信ウィンドウサイズを指定します。このオペランドは,rwsと省略して指定することもできます。

(j) ALT_LCGN
交代論理チャネルグループ番号 ~<10進数>((0~15))

交代論理チャネル機能を使用する場合に,交代用の論理チャネルグループ番号を指定します。80PVC接続の場合にだけ,交代論理チャネル機能を使用できます。

このオペランドを指定する場合,PVC_LCGN,PVC_LCNオペランドと,ALT_LCNオペランドの指定が必要となります。PVC_LCGN,PVC_LCNオペランド指定値と同じ組み合わせの値を,このオペランドとALT_LCNオペランドには指定できません。

NSAP_addressオペランド指定時,このオペランドは指定できません。

交代論理チャネル機能を使用した構成を図2-2に示します。

図2-2 交代論理チャネル機能を使用した構成

[図データ]

[説明]
HNA2次局機能(HNA2)で,相手システムとのパケット交換網経由のX.25PVCで接続する場合に,1回線に通常使用する論理チャネル(現用論理チャネル)と,それとは別に予備用の論理チャネル(交代論理チャネル)を設定します。現用論理チャネルに異常が発生した場合,交代論理チャネルに切り替えます。この機能を,交代論理チャネル機能といいます。この機能は,同一加入者線での切り替えをするものであり,複数の回線での切り替えはできません。
(k) ALT_LCN
交代論理チャネル番号 ~<10進数>((1~255))

交代論理チャネル機能を使用する場合に,交代用の論理チャネル番号を指定します。80PVC接続の場合にだけ,交代論理チャネル機能を使用できます。

このオペランドを指定する場合,PVC_LCGN,PVC_LCNオペランドと,ALT_LCGNオペランドの指定が必要となります。PVC_LCGN,PVC_LCNオペランド指定値と同じ組み合わせの値を,このオペランドとALT_LCGNオペランドには指定できません。

NSAP_addressオペランド指定時,このオペランドは指定できません。

交代論理チャネル機能を使用した構成については,図2-2を参照してください。

 

オペランドの指定要否を表2-11に示します。

表2-11 オペランドの指定要否(HNA2_destination文)

オペランド名称WAN接続で相手局(ホストコンピュータ)と接続時(PVCまたはHDLC-UN)WAN接続で相手局(ホストコンピュータ)と接続時(VC)WAN接続からIWU経由のLAN接続時
AB,C,およびDEB,C,およびDA,およびEB,C,およびDA,およびE
name
slot_no
NSAP_address
PVC_LCGN
PVC_LCN
link_type
packet_size
send_window_size
receive_window_size
ALT_LCGN
ALT_LCN
(凡例)
○:必要です。
△:省略できます。
-:不要です。
A:一般専用回線サービス
B:私設パケットサービス
C:公衆パケットサービス
D:ISDN-TA(パケット交換)サービス
E:ISDN-TA(回線交換)サービス