2.2.6 configuration構成定義開始宣言文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド
(5) 通信機能とオペランドの対応
(6) 注意事項

(1) 機能

XNF/ASの構成定義の開始を宣言します。この定義文に続いて,各定義文を定義します。

(2) 定義条件

構成定義文全体に対して,定義の先頭に1回だけ必ず定義します。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) version
バージョン番号 ~<10進数>((0~99))

定義文の履歴を管理するバージョン番号を指定します。このオペランドは,ユーザが構成定義を管理するために使用します。

(b) max_TSAP
最大TSAP数 ~<10進数>((1~2000))

TSAPを同時に使用する最大数を指定します。

このオペランドを省略すると,トランスポート層を使用する通信機能は利用できません。

このオペランドを指定する場合,max_TC_class02,max_TPTCP_connectionまたはmax_CHANNEL_TCを指定してください。

(c) max_OSI_association
OSAS最大アソシエーション数 ~<10進数>((1~2048))

OSAS/APIで,アソシエーションを同時に使用する最大数を指定します。このオペランドは,max_O_ascと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,OSAS/APIを使用する通信機能は利用できません。

(d) max_HDLCpass_link
HDLCパススルーの最大コネクション数 ~<10進数>((1~400))

HDLCパススルーで,同時に使用するコネクションの最大数(構成変更で追加する予定のHDLCパススルーでのコネクション数を含めた値)を指定します。このオペランドは,max_HDLC_lと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,HDLCパススルー手順は利用できません。

(e) max_HSCline
最大HSC手順回線数 ~<10進数>((1~400))

HSC手順回線の最大数(構成変更で追加する予定のHSC手順回線数を含めた値)を指定します。

このオペランドは,max_Hlineと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,HSC手順は利用できません。

(f) max_NCSBline
最大NCS-B手順回線数 ~<10進数>((1~400))

NCS-B手順回線の最大数(構成変更で追加する予定のNCS-B手順回線数を含めた値)を指定します。このオペランドは,max_Nlineと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,NCS-B手順は利用できません。

(g) max_link
全ハイレベル回線アダプタで使用する最大リンク数 ~<10進数>((1~1000))

全ハイレベル回線アダプタで使用する最大リンク数(ハイレベル回線のリンクの合計)を指定します。構成変更で追加する予定のリンク数を含めた値を指定します。このオペランドは,max_lkと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると回線アダプタ上でハイレベル手順は利用できません。

(h) max_line
全ハイレベル回線アダプタで使用する最大回線数 ~<10進数>((1~400))

全ハイレベル回線アダプタで使用する最大回線数(ハイレベル回線の合計)を指定します。この回線数にはベーシック手順は含みません。このオペランドは,max_lnと省略して指定することもできます。

構成変更で追加する予定の回線数(ハイレベル回線の合計)を含めた値を指定します。

このオペランドを省略すると,回線アダプタ上でハイレベル手順は利用できません。

(i) max_SWgroup
最大公衆グループ数 ~<10進数>((1~1000))

最大公衆グループ(SW_group_define)数を指定します。このオペランドは,max_SWgと省略して指定することもできます。

構成変更で追加する予定の公衆グループ数を含めた値を指定します。

このオペランドを省略すると,公衆グループ数を増やす構成変更の追加機能は利用できません。

(j) max_Line_adapter
最大回線アダプタ個数 ~<10進数>((1~100))

回線アダプタ個数を指定します。このオペランドは,max_Laと省略して指定することもできます。

構成変更で追加する予定の回線アダプタ数を含めた値を指定します。

このオペランドを省略すると回線アダプタは利用できません。

(k) max_TLI_connection
TLI最大コネクション数 ~<10進数>((1~512))

TLIで,コネクションを同時に使用する最大数を指定します。このオペランドは,max_TLIと省略して指定することもできます。

TLIで同時に使用するコネクションの数は,このオペランドの値のほかにストリーム機構の構成情報によって制限を受けます。

このオペランドを省略すると,TLIを使用する通信機能は利用できません。

(l) max_TC_class02
TLクラス0/2の最大トランスポートコネクション数 ~<10進数>((1~2048))

トランスポートクラス0または2で,同時に確立できるトランスポートコネクションの最大数を指定します。このオペランドは,max_TC2と省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,トランスポートクラス0,または2を使用する通信機能は利用できません。

(m) max_TL_loop_back_connection
自局AP間通信の最大コネクション数 ~<10進数>((1~256))

自局AP間通信(TL自局折り返し通信機能)で,同時に確立できるコネクション数の最大数を指定します。このオペランドは,max_TL_loopと省略して指定することもできます。

このオペランドを指定する場合,max_TC_class02またはmax_CHANNEL_TCを指定してください。

このオペランドを省略すると,自局AP間通信は利用できません。

(n) max_CHANNEL_TC
チャネル接続の最大トランスポートコネクション数 ~<10進数>((1~2048))

チャネル接続上で,同時に確立できるトランスポートコネクション数の最大数を指定します。

このオペランドは,max_CH_TCと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,チャネル接続を使用するトランスポートサービスは利用できません。

 

TL通信機能使用の可否とオペランド定義内容の関係を表2-3に,チャネル接続上でTL通信機能を使用するAPI使用の可否とオペランド定義内容の関係を表2-4に示します。

表2-3 TL通信機能使用の可否とオペランド定義内容の関係

configuration文のオペランド定義内容TL通信機能使用の可否
トランスポートクラス0/2
××
チャネル接続通信
××
自局AP間通信
×××
max_TSAP
max_TC_class02
max_CHANNEL_TC
max_TL_loop_back_connection
max_VC_network_connection
max_CHANNEL_VC
max_CHANNEL_host
(凡例)
◎:該当する機能が使用できる場合です。
×:該当する機能が使用できない場合です。
○:指定値は1以上最大値までです。
-:オペランドの指定を省略できます。
△:指定の有無を問いません。

表2-4 チャネル接続上でTL通信機能を使用するAPI使用の可否とオペランド定義内容の関係

configuration文のオペランド定義内容API使用の可否
OSAS/API
××
TLI
××
max_OSI_association
max_TLI_connection
(凡例)
◎:該当する機能が使用できる場合です。
×:該当する機能が使用できない場合です。
○:指定値は1以上最大値までです。
-:オペランドの指定を省略できます。
OSAS/APIおよびTLIは,TLが使用できることが前提となります。
(o) max_NLI_VC
NLI(VC)の最大ネットワークコネクション数 ~<10進数>((1~5000))

X.25パススルーで,VCのネットワークコネクションを同時に確立する最大数を指定します。

このオペランドは,max_NLIVと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,VCのネットワークコネクションを使用したX.25パススルーは利用できません。

(p) max_NLI_PVC
NLI(PVC)の最大ネットワークコネクション数 ~<10進数>((1~2000))

X.25パススルーで,PVCのネットワークコネクションを同時に確立する最大数を指定します。

このオペランドは,max_NLIPと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,PVCのネットワークコネクションを使用したX.25パススルーは利用できません。

(q) max_X25_VASS
X.25の最大仮想スロット数 ~<10進数>((1~400))

X.25(VC)プロトコルを使用する仮想スロットの最大数(構成変更で追加する予定の仮想スロット数を含めた値)を指定します。このオペランドは,max_X25_Vと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,X.25(VC)プロトコルを利用できません。

また,このオペランドを省略するときは,次のオペランドも省略してください。

(r) max_X25_link
X.25の最大リンク数 ~<10進数>((1~600))

X.25 (VC)プロトコルを使用するリンクの最大数(構成変更で追加する予定のリンク数を含めた値)を指定します。このオペランドは,max_X25_lと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると, X.25 (VC)プロトコルを利用できません。

また,このオペランドを省略するときは,次のオペランドも省略してください。

(s) max_X25_group
X.25のグループVASS情報の最大数 ~<10進数>((1~64))

X.25のグループVASS情報の最大数を指定します。このオペランドは,max_X25_gと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,構成定義文全体のX25_group_define文の数が設定されます。ただし,構成定義文全体で64以下とします。

(t) max_X25_route
X.25のルーティング情報の最大数 ~<10進数>((1~2000))

X.25のルーティング情報の最大数を指定します。このオペランドは,max_X25_rと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,構成定義文全体のX25_route文の数が設定されます。ただし,構成定義文全体で2000以下とします。

(u) max_X25_info
X.25の着信課金/QoS情報の最大数 ~<10進数>((1~2000))

X.25の着信課金/QoS情報の最大数を指定します。このオペランドは,max_X25_iと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,構成定義文全体のX25_info文の数が設定されます。ただし,構成定義文全体で2000以下とします。

(v) max_VC_network_connection
X.25(VC)の最大ネットワークコネクション数 ~<10進数>((1~5000))

VCのネットワークコネクションを同時に確立する最大数(構成変更で追加する予定のVCを使用するリンク分を含めた値)を指定します。このオペランドは,max_VC_ncと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,X.25(VC)プロトコルを利用できません。

(w) max_PVC_network_connection
X.25(PVC)の最大ネットワークコネクション数 ~<10進数>((1~2000))

PVCのネットワークコネクションを同時に確立する最大数(構成変更で追加する予定のPVCを使用するリンク分を含めた値)を指定します。

このオペランドは,max_PVC_ncと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,X.25(PVC)プロトコルは利用できません。

(x) max_AP_identification

最大AP識別子数 ~<10進数>((2~1024))《1024》

OSAS/APIで使用する最大AP識別子数を指定します。

(デフォルトのAP識別子数を含む)

このオペランドは動的に追加されるOSAS_API文数を考慮して指定します。このオペランドは,max_AP_idと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,OSAS_API文を増やす構成変更はできません。

(y) max_TPTCP_connection
OSI拡張機能の最大トランスポートコネクション数 ~<10進数>((1~2048))

エンドシステムとして動作するOSI拡張機能で,同時に使用できるトランスポートコネクション数の最大数を指定します。このオペランドは,max_TPTCPと省略して指定することもできます。

このオペランドを省略すると,エンドシステムとして動作するOSI拡張機能は利用できません。

表2-5にOSI拡張機能を使用するAPI使用の可否とオペランド定義内容の関係を示します。

表2-5 OSI拡張機能を使用するAPI使用の可否とオペランド定義内容の関係

configuration文のオペランド定義内容OSI拡張機能を使用するAPI使用の可否
OSAS/API
×××××
TLI
×××××
max_TPTCP_connection
max_TSAP
max_OSI_association
max_TLI_connection
(凡例)
◎:該当する機能が使用できる場合です。
×:該当する機能が使用できない場合です。
○:指定値は1以上最大値までです。
-:オペランドの指定は省略できます。
(z) max_CHANNEL_link
チャネル接続で使用する最大リンク数 ~<10進数>((1~64))

チャネル接続で使用する最大リンク数を指定します。

このオペランドは,max_CH_lと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,チャネルアダプタ上のXNF/ASは利用できません。

(aa) max_CHANNEL_VC
チャネル接続の最大接続仮想サーバ数 ~<10進数>((1~64))

チャネル接続で使用する最大仮想サーバ数(構成変更で追加する予定の仮想サーバを含めた値)を指定します。

このオペランドは,max_CH_Vと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,チャネル接続の通信が利用できません。

このオペランドを指定する場合,次のオペランドを同時に指定してください。

(ab) max_CHANNEL_host
チャネル接続の最大接続相手ホスト数 ~<10進数>((1~64))

チャネル接続で使用する接続先相手ホストの最大数を指定します。

このオペランドは,max_CH_hと省略して指定することもできます。また,このオペランドを省略すると,チャネル接続の通信が利用できません。

このオペランドを指定する場合,次のオペランドを同時に指定してください。

(ac) max_TPTCP_VC
OSI拡張高信頼化機能の最大仮想サーバ数 ~<10進数>((1~64))

OSI拡張高信頼化機能で使用する最大仮想サーバ数を指定します。

このオペランドを省略すると,OSI拡張高信頼化機能を使用したホストとの通信ができません。

このオペランドを指定する場合,次のオペランドを同時に指定してください。

(ad) max_TPTCP_path
OSI拡張高信頼化機能の最大パス数 ~<10進数>((1~64))

OSI拡張高信頼化機能で使用するホストから接続可能なパスの最大値を指定します。

このオペランドを省略すると,OSI拡張高信頼化機能を使用したホストとの通信ができません。

このオペランドを指定する場合,次のオペランドを同時に指定してください。

(ae) max_TPTCP_vhost
OSI拡張高信頼化機能の最大接続相手ホスト数 ~<10進数>((1~64))

OSI拡張高信頼化機能で使用する仮想サーバの接続先相手ホストの最大数を指定します。このオペランドを省略すると,OSI拡張高信頼化機能を使用したホストとの通信ができません。このオペランドを指定する場合,次のオペランドを同時に指定してください。

(5) 通信機能とオペランドの対応

それぞれの通信機能を使用するにあたって,configuration文のオペランドのうちで定義が必要なオペランドを表2-6表2-8に示します。

表2-6 configuration文のオペランドと通信機能の対応(回線アダプタ)

オペランド名通信機能
OSI通信機能TLIHNA1次局※6HNA2次局※7X.25パススルーHDLCパススルーベーシック(HSC1/HSC2)べーシック(NCSB)
version
max_TSAP
max_OSI_association
max_AP_identification
max_HDLCpass_link
max_HSCline
max_NCSBline
max_link
max_line
max_SWgroup
max_Line_adapter
max_TLI_connection
max_TC_class02
max_NLI_VC
※1
max_NLI_PVC
※2
max_X25_VASS
※3

※3
max_X25_link
※3

※3
max_X25_group
max_X25_route
max_X25_info
max_VC_network_connection
※4

※4

※1
max_PVC_network_connection
※5

※5

※2
(凡例)
◎:指定が必要なオペランド
○:任意に指定できるオペランド
-:指定が不要なオペランド
△:注※1~注※5のどれかに該当する場合に,指定が必要なオペランド
注※1
VCでX.25パススルーを使用する場合
注※2
PVCでX.25パススルーを使用する場合
注※3
X.25上でHNA通信機能を使用する場合
注※4
VCでHNA通信機能を使用する場合
注※5
PVCでHNA通信機能を使用する場合
注※6
HNA1次局の通信機能を使用する場合には,HNA1文の指定が必要です。
注※7
HNA2次局の通信機能を使用する場合には,HNA2_slot文,HNA2_configuration文の指定が必要です。

表2-7 configuration文のオペランドと通信機能の対応(チャネルアダプタ)

オペランド名通信機能
OSI通信機能TLI
version
max_TSAP
max_OSI_association
max_AP_identification
max_TLI_connection
max_CHANNEL_TC
max_CHANNEL_link
max_CHANNEL_VC
max_CHANNEL_host
(凡例)
◎:指定が必要なオペランド
○:任意に指定できるオペランド
-:指定が不要なオペランド

 

表2-8 configuration文のオペランドと通信機能の対応(OSI拡張機能)

オペランド名通信機能
エンドシステムゲートウェイシステム
OSI通信機能TLIOSI拡張高信頼化機能不使用OSI拡張高信頼化機能使用
OSI拡張高信頼化機能不使用OSI拡張高信頼化機能使用OSI拡張高信頼化機能不使用OSI拡張高信頼化機能使用
version
max_TSAP
max_OSI_association
max_link※2※3
max_line※2※3
max_Line_adapter※2※3
max_TLI_connection
max_TC_class02※1
max_CHANNEL_TC※1※4
max_X25_VASS※2
max_X25_link※2
max_X25_group
max_X25_route
max_X25_info
max_VC_network_connection※2
max_TPTCP_connection※5
max_CHANNEL_link※4
max_CHANNEL_VC※4
max_CHANNEL_host※4
max_TPTCP_path
max_TPTCP_VC
max_TPTCP_vhost
(凡例)
◎:指定が必要なオペランド
○:任意に指定できるオペランド
-:指定が不要なオペランド
△:注※1~注※5のどれかに該当する場合,指定が必要なオペランド
注※1
少なくとも一つ以上の指定が必要なオペランドです。
注※2
TLクラス0またはTLクラス2を使用する場合,指定が必要なオペランドです。
注※3
max_linkオペランドとmax_lineオペランドとmax_Line_adapterオペランドを組み合わせた指定が必要です。
注※4
チャネル接続機能を使用する場合,指定が必要なオペランドです。
注※5
TPTCP_define文を指定する場合,1以上の値を指定する必要があります。

(6) 注意事項

  1. 回線数の実際の上限は,使用するハードウェア(EP8000シリーズ)のモデルによって異なります。
  2. 構成変更では,各オペランドの値を変更できません。各オペランドを変更して,xnfstart -Rコマンドを実行しても有効となりません。
  3. max_CHANNEL_hostオペランドとmax_CHANNEL_VCオペランドには,次の式が成立する値を指定してください。

    max_CHANNEL_host数 ≧ 接続先相手ホスト数 × max_CHANNEL_VC数

    接続先相手ホストが仮想ホストを使用している場合,実ホストと仮想ホストの合計が接続先相手ホスト数になります。
    ただし,サーバと通信しない設定になっている仮想ホストは,接続先相手ホストに加算しません。
    例えば,実ホスト2台で一つの仮想ホストを定義し,ホットスタンバイ構成を構築している場合,接続先相手ホスト数は3になります。