2.2.28 TL02OSIトランスポート層クラス02定義文

<この項の構成>
(1) 機能
(2) 定義条件
(3) 書き方
(4) オペランド
(5) 注意事項

(1) 機能

OSIの第4層(トランスポートレイヤ:TL)のうち,TLクラス0,または2で使用する,相手局とのネゴシエーション項目,上位APからの指定が省略された場合のデフォルト値を定義します。

(2) 定義条件

次の通信機能を使用する場合,configuration文の下で1回だけ定義します。この定義文は省略できます。

(3) 書き方

[図データ]

(4) オペランド

(a) class
TLクラス0/2のクラス ~<10進数>((0または2))《2》

TLクラス0または2で使用するデフォルトのTLクラスを指定します。

上位APがTLクラスを指定しなかった場合や相手局とのネゴシエーションに使用します。チャネル接続の場合はクラス2となり,このオペランドの指定値は無視されます。

(b) alternative_class
TLクラス2の代替クラス ~<10進数>((0または2))《0》

classで指定したTLクラスが「2」の場合の代替クラスを指定します。このオペランドは,alt_clsと省略して指定することもできます。

上位APがTLクラスを指定しなかった場合や相手局とのネゴシエーションに使用します。チャネル接続の場合はクラス2となり,このオペランドの指定値は無視されます。

(c) max_TPDU
TLクラス0/2の最大TPDU長
~<10進数>((128|256|512|1024|2048|4096|8192))
《TLクラス0:2048,TLクラス2:2048》

TLクラス0,または2で使用するTPDUの最大長(バイト)を指定します。

classのTLクラスが0の場合,最大値2048までしか指定できません。チャネル接続の場合は32768バイトとなり,このオペランドの指定値は無視されます。ネゴシエーション対象のオペランドです。

(d) flow_control {use|not_use}

TLクラス2で明示的フロー制御機能を使用するかどうかを指定します。ネゴシエーション対象のオペランドです。このオペランドは,fcと省略して指定することもできます。また,省略した場合はuseが仮定されます。

use:
明示的フロー制御機能を使用します。
not_use:
明示的フロー制御機能を使用しません。

チャネル接続の場合はこのオペランドの指定値が無視され,明示的フロー制御を使用します。

(e) receive_CDT_value
TLクラス2の受信最大クレジット値 ~<10進数>((1~15))《7》

TLクラス2で明示的フロー制御機能を使用する場合,受信できる最大クレジット値を指定します。このオペランドは,rCDTと省略して指定することもできます。チャネル接続の場合は,CHANNEL_receive_CDT_valueを指定してください。

(f) TS1
TS1タイマ値 ~<10進数>((10~3600))《60》

TLクラス0または2で,TC確立時の応答監視時間(秒)を指定します。

(g) TS2
TS2タイマ値 ~<10進数>((10~3600))《60》

TLクラス2で,TC解放時の応答監視時間(秒)を指定します。

(h) TS3
TS3タイマ値 ~<10進数>((10~3600))《180》

TLクラス2で,普通データ,優先データの応答監視時間(秒)を指定します。

(i) concatenation {use|not_use}

AK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用するかどうかを指定します。このオペランドは,concatと省略して指定することもできます。また,省略した場合はnot_useが仮定されます。

TLクラス2で明示的フロー制御を使用する場合,AK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用するかどうかを指定します。このオペランドの指定は,チャネル接続以外の接続形態に適用されます。チャネル接続の場合は,CHANNEL_TC_concatenationを指定してください。

use:
AK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用します。
not_use:
AK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用しません。
(j) decrease_acknowledge {use|not_use}

AK_TPDU削減機能を使用するかどうかを指定します。このオペランドは,decr_ackと省略して指定することもできます。また,省略した場合はnot_useが仮定されます。

TLクラス2で明示的フロー制御を使用する場合,AK_TPDU削減機能を使用するかどうかを指定します。concatenation(AK_TPDUとDT_TPDUの連結機能使用・不使用)オペランドをuse(使用)と指定した場合,システムがAK_TPDUの削減も自動的に行うので,指定値は無視されます。

use:
AK_TPDU削減機能を使用します。
not_use:
AK_TPDU削減機能を使用しません。
(k) CHANNEL_TC_concatenation {use|not_use}

チャネル接続時のAK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用するかどうかを指定します。このオペランドは,CH_concatと省略して指定することもできます。また,省略した場合はuseが仮定されます。

チャネル接続の場合,TLクラス2でAK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用するかどうかを指定します。このオペランドの指定値は,XNF/AMのトランスポート層のAK_TPDU連結機能の定義と同じ値を指定してください。チャネル接続以外の場合は,concatenationを指定してください。

use:
チャネル接続時のAK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用します。
not_use:
チャネル接続時のAK_TPDUとDT_TPDUの連結機能を使用しません。
(l) CHANNEL_receive_CDT_value
チャネル接続時の受信最大クレジット値 ~<10進数>((1~15))《15》

チャネル接続時のトランスポートコネクション上で受信できる最大クレジット値を指定します。チャネル接続以外の場合は,receive_CDT_valueを指定してください。このオペランドは,CH_rCDTと省略して指定することもできます。

(m) min_reference
最小レファレンス番号 ~<10進数>((1~65535))《1》

TLクラス0または2で,使用する自局レファレンス番号の最小値を指定します。相手システムの実装によって,使用するレファレンス番号の範囲を絞りたい場合に指定します。このオペランドは,min_refと省略して指定することもできます。

(n) max_reference
最大レファレンス番号 ~<10進数>((1~65535))《65535》

TLクラス0または2で,使用する自局レファレンス番号の最大値を指定します。相手システムの実装によって,使用するレファレンス番号の範囲を絞りたい場合に指定します。このオペランドは,max_refと省略して指定することもできます。

(5) 注意事項

  1. ネゴシエーション対象のオペランドは,コネクションを確立するときに相手システムと折衝するので,指定した値とは異なる値になる場合があります。
  2. 次のオペランドは,上位APが通信を開始するとき,APからの指示で値が変更される場合があります。

    class, alternative_class

  3. min_referenceオペランドとmax_referenceオペランドには,次の式が成立する値を指定してください。

    max_reference値 - min_reference値 + 1 ≧ max_TC_class02数