4.1.4 HAモニタの定義

HA環境を構築するためのHAモニタの定義をします。HAモニタの定義には,サンプルファイルがありません。テキスト形式のファイルを作成し,定義してください。

HAモニタの定義の手順については,マニュアル「Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller」を参照してください。

HAモニタの定義ファイルには,次に示す種類があります。

表4-6 HAモニタの定義ファイル一覧

ファイル名定義の種類サンプルファイルの有無
serversサーバの環境設定×
sysdefHAモニタの環境設定×
(凡例)
×:サンプルファイルがない

HAモニタの定義ファイルのうち,サーバの環境設定については,DB Option for Billerを使用するための環境設定をする必要があります。

サーバの環境設定では,ORACLE,OpenTP1,および通信サーバBaseの環境設定をします。設定するサーバおよび定義文は,HA構成の形態によって異なります。

また,ORACLEおよび通信サーバBaseは,HAモニタとのインターフェースを持たないサーバであるため,系切り替えをする場合,HAモニタはモニタモードで監視します。

HAモニタの環境設定については,マニュアル「Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller」を参照してください。

サーバの環境設定では,次の2種類の定義文を使用します。

HA構成の形態ごとに,サーバの環境設定について説明します。

<この項の構成>
(1) 通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成の場合
(2) 通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成の場合

(1) 通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成の場合

(a) 通信サーバfor Biller・ORACLEを切り替える構成

次の定義文を使用します。

server定義文
サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,次の表に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。
この定義文では,ORACLEとOpenTP1についての定義が必要です。ただし,ORACLEと通信サーバfor Billerを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1の定義だけを作成してください。

表4-7 server定義文(通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成-通信サーバfor Biller・ORACLEを切り替える場合)

項目名説明定義値
(ORACLE)
定義値
(OpenTP1)
定義値
の変更
nameORACLEではORACLEを起動するためのサーバプログラム,OpenTP1ではOpenTP1のセットアップディレクトリを絶対パスで指定してください。任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。monitorserver×
termcommand作成したサーバの終了コマンドを絶対パスで指定してください。任意
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switch×
groupHA定義の「HA_KIND」に「GRP」を指定した場合は,「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には,「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※1グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※2
servexec_retryORACLEを監視するコマンドがORACLEの障害を検知した場合に,ORACLEの起動処理を再実行させる回数を指定します。0×
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuse×
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。任意任意
waitserv_execHAモニタの実行サーバ起動完了処理を実行する前に「name」で指定したサーバの実行完了を待つかどうかを指定します。yes×
patrolcommandORACLEを監視するコマンドを絶対パスで指定してください。任意
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定する
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
-:該当しない
注※1
ORACLEとOpenTP1で共通の値となります。
注※2
exchange部分は変更できません。

(b) 通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEを切り替える構成

次の定義文を使用します。

サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,各定義文で,次に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。

server定義文
server定義文で必要な項目を次の表に示します。
この定義文では,ORACLEとOpenTP1についての定義が必要です。ただし,ORACLEと通信サーバfor Billerを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1の定義だけを作成してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-8 server定義文(通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成-通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEを切り替える場合)

項目名説明定義値
(ORACLE)
定義値
(OpenTP1)
定義値
の変更
nameORACLEではORACLEを起動するためのサーバプログラム,OpenTP1ではOpenTP1のセットアップディレクトリを絶対パスで指定してください。任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。monitorserver×
termcommand作成したサーバの終了コマンドを絶対パスで指定してください。任意
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switch×
groupHA定義の「HA_KIND」に「GRP」を指定した場合は,「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には,「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※1グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※2
servexec_retryORACLEを監視するコマンドがORACLEの障害を検知した場合に,ORACLEの起動処理を再実行させる回数を指定します。0×
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuse×
waitserv_execHAモニタの実行サーバ起動完了処理を実行する前に「name」で指定したサーバの実行完了を待つかどうかを指定します。yes×
parent自サーバを起動するために必要なリソースサーバの識別名(リソースサーバの別名)を指定してください。※1任意任意
patrolcommandORACLEを監視するコマンドを絶対パスで指定してください。任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定する
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
ファイル転送機能,オンライン機能に関係する通信サーバおよび共通ソフトウェアのリソース制御は,リソースサーバで行います。そのため,disk,fs_nameおよびfs_mount_dirは,server定義文ではなくresource定義文で指定します。
ただし,ファイル転送機能,オンライン機能に関係ないORACLEおよびOpenTP1のリソース制御は,自サーバ,リソースサーバのどちらでも行えるため,環境に合わせて指定してください。
注※1
ORACLE,OpenTP1で共通の値となります。
注※2
exchange部分は変更できません。

resource定義文
resource定義文で必要な項目を次の表に示します。表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-9 resource定義文(通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成-通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEを切り替える場合)

項目名説明定義値定義値
の変更
aliasserver定義文の「parent」で指定した識別名を指定してください。任意
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※1
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。※2任意
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリューム,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。※2任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリ,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。※2任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定する
注※1
exchange部分は変更できません。
注※2
server定義文での指定内容と重複がないか確認してください。

(2) 通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成の場合

リソースサーバを使った連動系切り替えを行うため,次の定義文を使用します。

サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,各定義文で,次に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。

server定義文
server定義文で必要な項目を次の表に示します。
この定義文では,ORACLE,OpenTP1,および通信サーバBaseについての定義が必要です。ただし,ORACLEと通信サーバfor Billerを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1,および通信サーバBaseの定義だけを作成してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-10 server定義文(通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成)

項目名説明定義値
(ORACLE)
定義値
(OpenTP1)
定義値
(通信サーバBase)
※1
定義値
の変更
nameORACLEではORACLEを起動するためのサーバプログラム,OpenTP1ではセットアップディレクトリ,通信サーバBaseでは通信サーバ起動シェル※2を絶対パスで指定してください。任意任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。monitorservermonitor×
termcommand作成したサーバの終了コマンドを絶対パスで指定してください。任意任意
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switch×
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※3グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※4
servexec_retryORACLEを監視するコマンドがORACLEの障害を検知した場合に,ORACLEの起動処理を再実行させる回数を指定します。0×
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuseuse×
waitserv_execHAモニタの実行サーバ起動完了処理を実行する前に「name」で指定したサーバの実行完了を待つかどうかを指定します。yesyes×
parent自サーバを起動するために必要なリソースサーバの識別名(リソースサーバの別名)を指定します。
※3
任意任意任意
patrolcommandORACLEを監視するコマンドを絶対パスで指定してください。任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定する
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
-:該当しない
ファイル転送機能,オンライン機能に関係する通信サーバおよび共通ソフトウェアのリソース制御は,リソースサーバで行います。そのため,disk,fs_nameおよびfs_mount_dirは,server定義文ではなくresource定義文で指定します。
ただし,ファイル転送機能,オンライン機能に関係ないORACLEおよびOpenTP1のリソース制御は,リソースサーバのどちらでも行えるため,環境に合わせて指定してください。
注※1
通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成の場合,通信サーバシステム定義の[HMPN/FTHA]タグ下に「SRV_NAME」を指定しないでください。ただし,タグ名([HMPN/FTHA])は指定する必要があります。
注※2
オプションを指定する場合は,「actcommand」を定義してください。
注※3
ORACLE,OpenTP1,および通信サーバBaseで共通の値となります。
注※4
exchange部分は変更できません。

resource定義文
resource定義文で必要な項目を次の表に示します。表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-11 resource定義文(通信サーバBase・通信サーバfor Biller・ORACLEでのHA構成)

項目名説明定義値定義値の変更
aliasserver定義文の「parent」で指定した識別名を指定してください。任意
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※1
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。※2任意
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリューム,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。※2任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリ,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。※2任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定する
注※1
exchange部分は変更できません。
注※2
server定義文での指定内容と重複がないか確認してください。