4.4.2 HAモニタの定義項目

HAモニタの定義ファイルの一覧を次に示します。なお,障害時に系切り替えする場合に備え,HiRDBおよびOpenTP1でLANの状態設定ファイルを作成します。LANの状態設定ファイルの作成については「4.4.3 LANの状態設定ファイルの作成」を参照してください。

表4-30 HAモニタの定義ファイル一覧

ファイル名定義の種類サンプルファイルの有無
serversサーバの環境設定×
sysdefHAモニタの環境設定×
(凡例)
×:サンプルファイルがない

次に,HAモニタの定義をファイルごとに説明します。各項目の詳細については,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。また,各定義ファイルの記述例については,「4.6 定義ファイルの記述例(通信サーバfor Bank単独でのHA構成の場合)」または,「4.7 定義ファイルの記述例(通信サーバBaseと通信サーバfor Bank双方でのHA構成の場合)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) サーバの環境設定(servers)
(2) HAモニタの環境設定(sysdef)

(1) サーバの環境設定servers

サーバ(HiRDB,OpenTP1および通信サーバBase)の環境設定をします。

サーバの環境設定では,次の2種類の定義文を使用します。

設定するサーバおよび定義文は,HA構成の形態によって異なります。

(a) 通信サーバfor Bank単独でのHA構成の場合
●通信サーバfor Bankだけを切り替える構成

次の定義文を使用します。

server定義文
サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,次の表に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。
この定義文では,HiRDBとOpenTP1についての定義が必要です。ただし,HiRDBと通信サーバfor Bankを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1の定義だけを作成してください。

表4-31 server定義文(通信サーバfor Bank単独でのHA構成-通信サーバfor Bankだけを切り替える場合)

項目名説明定義値(HiRDB)定義値(OpenTP1)定義値の変更
nameHiRDB,OpenTP1のそれぞれのセットアップディレクトリを絶対パスで指定してください。任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。serverserver×
groupHA定義の「HA_KIND」に「GRP」を指定した場合は,「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には,「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※1グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※2
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switchswitch×
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。任意
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuse×
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
-:該当しない
注※1
HiRDB,OpenTP1で共通の値となります。
注※2
exchange部分は変更できません。

●通信サーバBaseおよび通信サーバfor Bankを切り替える構成

次の定義文を使用します。

注※
この構成の場合,リソースサーバの使用を推奨します。

サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,各定義文で,次に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。

server定義文
server定義文で必要な項目を次の表に示します。
この定義文では,HiRDB,OpenTP1についての定義が必要です。ただし,HiRDBと通信サーバfor Bankを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1の定義だけを作成してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-32 server定義文(通信サーバfor Bank単独でのHA構成-通信サーバBaseおよび通信サーバfor Bankを切り替える場合)

項目名説明定義値(HiRDB)定義値(OpenTP1)定義値の変更
nameHiRDB,OpenTP1のそれぞれのセットアップディレクトリを絶対パスで指定してください。任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。serverserver×
groupHA定義の「HA_KIND」に「GRP」を指定した場合は,「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には,「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※1グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※2
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switchswitch×
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuse×
parent自サーバを起動するために必要なリソースサーバの識別名(リソースサーバの別名)を指定してください。※1任意任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
ファイル転送機能,オンライン機能に関係する通信サーバおよび共通ソフトウェアのリソース制御は,リソースサーバで行います。そのため,disk,fs_nameおよびfs_mount_dirは,server定義文ではなくresource定義文で指定します。
ただし,ファイル転送機能,オンライン機能に関係ないHiRDBおよびOpenTP1のリソース制御は,自サーバ,リソースサーバのどちらでも行えるため,環境に合わせて指定してください。
注※1
HiRDB,OpenTP1で共通の値となります。
注※2
exchange部分は変更できません。

resource定義文
resource定義文で必要な項目を次の表に示します。表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-33 resource定義文(通信サーバfor Bank単独でのHA構成-通信サーバBaseおよび通信サーバfor Bankを切り替える場合)

項目名説明定義値定義値の変更
aliasserver定義文の「parent」で指定した識別名を指定してください。任意
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※1
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。※2任意
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリューム,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。※2任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリ,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。※2任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる
注※1
exchange部分は変更できません。
注※2
server定義文での指定内容と重複がないか確認してください。

(b) 通信サーバBaseと通信サーバfor Bank双方でのHA構成の場合

リソースサーバを使った連動系切り替えを行うため,次の定義文を使用します。

サンプルファイルはありません。ファイルを作成し,各定義文で,次に示す項目を必ず定義してください。これらは,現用系と予備系で同じ値を指定してください。

server定義文
server定義文で必要な項目を次の表に示します。
この定義文では,HiRDB,OpenTP1,および通信サーバBaseついての定義が必要です。ただし,HiRDBと通信サーバfor Bankを別のマシンに構築する場合は,OpenTP1,および通信サーバBaseの定義だけを作成してください。
表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-34 server定義文(通信サーバBaseと通信サーバfor Bank双方でのHA構成)

項目名説明定義値(HiRDB)定義値(OpenTP1)定義値(通信サーバBase)※1定義値の変更
nameHiRDB,OpenTP1ではそれぞれのセットアップディレクトリ,通信サーバBaseでは通信サーバ起動シェル※2の絶対パスを指定してください。任意任意任意
aliasHA定義の「HA_KIND」に「SRV」を指定した場合は,「SV_GRP」に指定した値を指定してください。それ以外の場合は,サーバプログラムの識別名(サーバの別名)を任意に指定できます。任意任意任意
acttypeサーバの起動方法を指定します。serverservermonitor×
termcommand作成したサーバの終了コマンドを絶対パスで指定してください。任意
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。※3グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※4
switchtypeサーバ障害を検出した場合,系切り替えを行う指定をします。switchswitch×
lan_updownLANの状態設定ファイルを使用するかどうかを指定します。useuseuse×
waitserv_execHAモニタの実行サーバ起動完了処理を実行する前に「name」で指定したサーバの実行完了を待つかどうかを指定します。yes×
parent自サーバを起動するために必要なリソースサーバの識別名(リソースサーバの別名)を指定してください。※3任意任意任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる
×:必ず「定義値」欄の値を指定する
-:該当しない
ファイル転送機能,オンライン機能に関係する通信サーバおよび共通ソフトウェアのリソース制御は,リソースサーバで行います。そのため,disk,fs_nameおよびfs_mount_dirは,server定義文ではなくresource定義文で指定します。
ただし,ファイル転送機能,オンライン機能に関係ないHiRDBおよびOpenTP1のリソース制御は,自サーバ,リソースサーバのどちらでも行えるため,環境に合わせて指定してください。
注※1
通信サーバBaseと通信サーバfor Bank双方でのHA構成の場合,通信サーバシステム定義の[HMPN/FTHA]タグ下に「SRV_NAME」を指定しないでください。ただし,タグ名([HMPN/FTHA])は指定する必要があります。
注※2
オプションを指定する場合は,「actcommand」を定義してください。
注※3
HiRDB,OpenTP1,および通信サーバBaseで共通の値となります。
注※4
exchange部分は変更できません。

resource定義文
resource定義文で必要な項目を次の表に示します。表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-35 resource定義文(通信サーバBaseと通信サーバfor Bank双方でのHA構成)

項目名説明定義値定義値の変更
aliasserver定義文の「parent」で指定した識別名を指定してください。任意
groupHA定義の「SV_GRP」で指定した値を指定してください。切り替え種別には「exchange」(連動系切り替え)を指定してください。グループ名:exchange
(グループ名部分は任意)
※1
disk通信サーバのロウ論理ボリューム,および共通ソフトウェアのキューマネージャー用の論理ボリュームを含むボリュームグループ名を指定してください。※2任意
fs_name共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリューム,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームを絶対パスで指定してください。※2任意
fs_mount_dir共通ソフトウェアのキューマネージャー用論理ボリュームをマウントするディレクトリ,および通信サーバBaseの受信ファイル格納ディレクトリ用論理ボリュームをマウントするディレクトリを絶対パスで指定してください。※2任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる
注※1
exchange部分は変更できません。
注※2
server定義文での指定内容と重複がないか確認してください。

(2) HAモニタの環境設定sysdef

HAモニタの環境設定には,サンプルファイルがありません。ファイルを作成し,次の表に示す項目を必ず定義してください。表中にない項目については,環境に合わせて定義できます。

表4-36 HAモニタの環境設定

定義文の種類項目名説明定義値定義値の変更
functionusrcommand共通ソフトウェアを強制停止させるシェルを絶対パスで指定してください。任意
(凡例)
○:「説明」欄の条件で,任意の値を指定できる