6.4 作成手順

ユーザーコールバックは,次の手順で作成します。なお,ユーザーコールバックは,通信サーバ管理者が作成してください。

  1. サンプルファイルを任意のディレクトリにコピーする
    サンプルファイルは,次のディレクトリに格納されています。
    (通信サーバfor Bankセットアップディレクトリ)/examples/uoc
    このディレクトリには,次のサンプルファイルが格納されています。

    表6-1 ユーザーコールバックのサンプルファイル

    ファイル名種別
    HMpnRefUoc.c照会サービス用サンプルファイル
    HMpnRefUoc.h照会サービス用ヘッダーファイル
    HMpnPayUoc.c消込サービス用サンプルファイル
    HMpnPayUoc.h消込サービス用ヘッダーファイル
    HMpnCanUoc.c取消サービス用サンプルファイル
    HMpnCanUoc.h取消サービス用ヘッダーファイル
    Define.inc.aixメイクファイル
    Makefile
    Makefile.uoc.aix
    なお,サンプルファイルは,直接編集しないでください。必ずコピーしたサンプルファイルを使用してください。
  2. ファイルの属性を変更する
    コピーしたファイルに,書き込み権限を追加してください。
  3. コピーしたファイルを編集し,処理を追加する
    ユーザーコールバックの仕様については,「6.5 ユーザーコールバックインターフェース」を参照してください。
    なお,コールバックの戻り値には,送信前ユーザーコールバックと受信後コールバックを区別できるように,値を設定してください。設定できる値は,5,001~8,000の整数値です。
  4. コピーしたメイクファイルを編集する
    必要に応じて,メイクファイルを編集してください。メイクファイルの編集例を次に示します。
    • 作成したソースファイルを追加する場合
      作成したソースファイルを追加する場合は,Makefile.uoc.aixを編集します。太字と下線で示した部分に,ファイル名を追加してください。

      OBJS1 =¥
          HMpnRefUoc.o ¥
          追加するファイル名(照会サービス用ライブラリに追加する場合)
      OBJS2 = ¥
          HMpnPayUoc.o ¥
          追加するファイル名(消込サービス用ライブラリに追加する場合)
      OBJS3 = ¥
          HMpnCanUoc.o ¥
          追加するファイル名(取消サービス用ライブラリに追加する場合)

    • リンケージするライブラリを追加する場合
      リンケージするライブラリを追加する場合は,Define.inc.aixを編集します。太字と下線で示した部分に,追加するライブラリのパス,およびライブラリ名を追加してください。

      #*************************************************************************#
      # for linking                                                             #
      #*************************************************************************#
      COMMON_LDFLAGS   = -brtl -bnoentry -bexpall
      COMMON_LIBS      = -L(追加するライブラリのパス) -l(追加するライブラリ名)
      ALL_LDFLAGS      = $(COMMON_LDFLAGS) $(COMMON_LIBS)

      6.6 金融機関任意情報編集インターフェース」の関数を使用する場合の例を示します。

      COMMON_LIBS      = -L$(HMPNDIR)/lib -lhmpncom

  5. ライブラリを生成する
    次の形式で,メイクを実行してください。なお,メイクを実行するには,環境変数「HMPNDIR」に通信サーバfor Bankのセットアップディレクトリが設定されている必要があります。環境変数の設定については,「3.4.4 通信サーバfor Bankの環境設定」を参照してください。

    % make

    メイクを実行すると,ライブラリが生成されます。生成されるライブラリは,次のとおりです。

    表6-2 ユーザーコールバックのライブラリ

    ファイル名種別
    libhmpnrefuoc.a照会サービス用ライブラリ
    libhmpnpayuoc.a消込サービス用ライブラリ
    libhmpncanuoc.a取消サービス用ライブラリ
  6. 通信サーバfor Bankが稼働中の場合,停止する
    通信サーバfor Bankの停止方法については,「8.2.4 通信サーバfor Bankの停止」を参照してください。
  7. スーパーユーザーでログインする
    生成したライブラリを所定のディレクトリに格納するために,スーパーユーザーでログインしてください。なお,スーパーユーザーでログインしている間は,手順8~10以外の操作をしないように注意してください。
  8. 既存のライブラリを移動する
    バックアップのために,既存のライブラリを任意のディレクトリに移動してください。ライブラリは,次のディレクトリに格納されています。
    (通信サーバfor Bankセットアップディレクトリ)/lib
  9. 生成したライブラリを所定のディレクトリにコピーする
    次の形式で,手順5で生成したライブラリを(通信サーバfor Bankセットアップディレクトリ)/libにコピーしてください。

    # cp libhmpn*uoc.a (通信サーバfor Bankセットアップディレクトリ)/lib

  10. コピーしたライブラリのアクセス権とオーナーを変更する
    次の形式で,コピーしたライブラリのアクセス権とオーナーを変更してください。

    # chmod 555 libhmpn*uoc.a
    # chown 通信サーバ管理者のID:グループID libhmpn*uoc.a

  11. 通信サーバ管理者でログインする
    通信サーバfor Bankを起動するために,通信サーバ管理者でログインしてください。
  12. 通信サーバfor Bankを起動する
    通信サーバfor Bankの起動方法については,「8.2.1 通信サーバfor Bankの起動」を参照してください。