付録A.1 電文履歴を格納するためのユーザー用RDエリアの算出方法

通信サーバfor BankとMPNセンタとの間で送受信した依頼電文および応答電文の履歴情報を格納するために,次の電文履歴格納用テーブルの格納領域を用意します。

表A-1 電文履歴格納用テーブルの種別

テーブルの種別テーブル名
照会サービス用MBMSGLGMPREFR
消込サービス用MBMSGLGMPERSERSND
取消サービス用MBMSGLGMPCNCLRSND

なお,上記の三つのテーブルはどれも同じ構造のため,取り扱う内容および方法も同じです。また,これらのユーザー用RDエリアは三つのテーブルで一つの領域を確保することもできますが,テーブルごとに異なる領域を確保することもできます。

ユーザー用RDエリアは次の計算式から算出します。

ユーザー用RDエリア(バイト)=電文履歴のレコード数(レコード)×平均電文長(バイト)×1.25

次に,テーブルの更新タイミング,通信サーバfor Bankが取得する電文履歴のレコード数,および平均電文長の考え方について説明します。

<この項の構成>
(1) テーブルの更新タイミング
(2) 電文履歴のレコード数
(3) 平均電文長
(4) 電文履歴格納用テーブルのユーザー用RDエリアの計算式
(5) 算出例

(1) テーブルの更新タイミング

電文履歴は,照会サービス,消込サービス,および取消サービスごと,かつプロセスごとに,次のようなタイミングで合計2回取得されます。取得された電文履歴は,電文履歴格納用テーブルに格納(INSERT)されます。

電文履歴格納用テーブルに格納されたあと,履歴が更新(UPDATE)されることはありません。

図A-1 電文履歴を取得するタイミング

[図データ]

(2) 電文履歴のレコード数

電文履歴のレコード数は,照会サービス,消込サービス,および取消サービスで,それぞれ1日にどれくらいの電文数が処理されるかによって決まります。

次に,電文履歴のレコード数の計算式を示します。

各サービスの電文処理数(単位:件)
  • 照会サービスの電文処理数:a
  • 消込サービスの電文処理数:b
  • 取消サービスの電文処理数:c
電文履歴のレコード数の計算式
電文履歴のレコード数(レコード)=(a+b+c)×2

(3) 平均電文長

電文履歴格納用テーブルの1レコード当たりの最大サイズは,7,496バイトです。ユーザー用RDエリアのサイズを算出する場合には,1レコード当たりの最大サイズで見積もる必要があります。ただし,電文履歴格納用テーブルの項目には,VARCHAR型の可変長項目であるMPN電文のデータ部が含まれるため,この部分に電文種別ごとの平均値を採用することで,用意するユーザー用RDエリアの見積もり量を抑えることができます。

次に,平均電文長の計算式を示します。なお,取消依頼電文および取消応答電文の割合は無視できるほど小さいため,平均電文長の計算式には含めません。

電文種別ごとの平均値(単位:バイト)
  • 照会依頼電文:d
  • 照会応答電文:e
  • 消込依頼電文:f
  • 消込応答電文:g
平均電文長の計算式
平均電文長(バイト)=(d+e+f+g)÷4

(4) 電文履歴格納用テーブルのユーザー用RDエリアの計算式

(2)および(3)で算出した値を利用して,電文履歴格納用テーブルのユーザー用RDエリアを算出します。

次にユーザー用RDエリアの計算式を示します。

ユーザー用RDエリア(バイト)=(a+b+c)×2×(d+e+f+g)÷4×1.25

(5) 算出例

ユーザー用RDエリアの算出例を次に示します。

(例)
毎日の収納サービス用に,電文トラフィックが10万件程度ある。電文種別ごとの平均値から算出した平均電文長は,600バイトである。また,各種電文履歴は7日間保存できるようにする。
この場合のユーザー用RDエリアの計算式を次に示します。
100,000(件)×2(レコード)×600(バイト)×7(日)×1.25=1,050,000,000(バイト)