8.3.3 電文の再送

再送とは,送信した消込依頼電文または取消依頼電文がタイムアウトした場合に,再度電文を送信する操作です。再送には,次の方法があります。

自動再送は,消込SPPまたは取消SPPが自動的に行います。手動再送は,手動でコマンドを入力して行います。コマンドを入力すると,再送SPPが再送処理を行います。

電文を再送する処理の流れを次に示します。なお,消込SPP,取消SPPそれぞれでの電文処理の流れについては,「7.1 業務系プロセスインターフェース」を参照してください。

図8-2 再送の流れ

[図データ]

次に,自動再送,手動再送それぞれについて説明します。

<この項の構成>
(1) 自動再送
(2) コマンドによる手動再送

(1) 自動再送

消込依頼電文を自動再送する場合は,通信サーバシステム定義の「PAY_RESEND_TIMES」に1以上の値を指定してください。また,取消依頼電文を自動再送する場合は,通信サーバシステム定義の「CAN_RESEND_TIMES」に1以上の値を指定してください。

自動再送の場合は,消込依頼電文または取消依頼電文がタイムアウトすると,消込SPPまたは取消SPPが自動で電文を再送処理します。再送する回数および間隔は,通信サーバシステム定義に定義します。なお,自動再送の場合は,消込依頼電文または取消依頼電文がタイムアウトすると,再送が成功するまで消込SPPまたは取消SPPが占有されます。

注意
自動再送で電文を再送できるのは,最初に消込依頼電文または取消依頼電文を送信した日だけです。翌日の00:30:01以降は,電文は再送されません。

(2) コマンドによる手動再送

消込依頼電文を手動再送する場合は,通信サーバシステム定義の「PAY_CMD_RETRY」に「Y」を指定してください。また,取消依頼電文を手動再送する場合は,通信サーバシステム定義の「CAN_CMD_RETRY」に「Y」を指定してください。

手動再送する場合は,電文再送コマンド(hmpnretry)または複数電文再送コマンド(hmpnretryall)を実行します。これらのコマンドを実行すると,再送SPPが一括して再送処理をします。再送の対象となるのは,再送電文格納用テーブルに格納されている電文のうち,コマンドの引数に指定した条件を満たす電文です。

再送電文格納用テーブルには,次の電文が格納されています。

注意
  • コマンドによる手動再送は,定期的に実行してください。
    再送対象の電文が多く蓄積すると有効トランザクション数が不足するため,新しい取引ができなくなります。
    有効トランザクション数とは,通信サーバシステム定義のMAX_TRAN_NUMで指定した値のことです。
  • 手動再送後には,再送電文格納用テーブルの不要なデータを定期的に削除してください。
    再送電文格納用テーブルに格納されているデータは,電文再送コマンド(hmpnretry)または複数電文再送コマンド(hmpnretryall)を実行しても削除されません。定期的に再送取引削除コマンド(hmpnretrydelete)を実行して,不要なデータを削除してください。

電文再送コマンド,複数電文再送コマンド,および再送取引削除コマンドの詳細については,「10.3 コマンドの詳細」の「hmpnretry(電文再送)」,「hmpnretryall(複数電文再送)」,または「hmpnretrydelete(再送取引削除)」を参照してください。