はじめに

このマニュアルは,プログラムプロダクト P-1M43-6211 Hitachi Multi Payment Network communications server for Bankの機能,システム構築方法,および運用方法について説明したものです。なお,このマニュアルではHitachi Multi Payment Network communications server for Bankを通信サーバfor Bank,またMulti Payment NetworkをMPNと表記します。

対象読者

このマニュアルは,金融機関でMPNを利用したシステムを構築・運用する方を対象としています。

次の知識があることを前提としています。

また,このマニュアルは,マニュアル「Hitachi Multi Payment Network communications server Base」の知識もあることを前提としていますので,あらかじめお読みいただくことをお勧めします。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 概要
MPNおよび通信サーバfor Bankの概要について説明しています。
第2章 システム構築の準備
通信サーバfor Bankのシステムを構築する前に必要な準備について説明しています。
第3章 システム構築の流れと環境設定
通信サーバfor Bankのシステム構築の流れと環境設定について説明しています。
第4章 システム定義
OpenTP1の定義,HiRDBの定義,通信サーバシステム定義,HAモニタの定義,および通信サーバシステム定義に必要なトレースの設定について説明しています。
第5章 DBへのテーブルの作成
HiRDBにテーブルを作成する方法について説明しています。
第6章 ユーザーコールバックの作成
ユーザーコールバックの役割,作成手順などについて説明しています。
第7章 通信サーバfor Bankのインターフェース
通信サーバfor Bankのインターフェースについて説明しています。
第8章 システム運用
通信サーバfor Bankの起動/停止,およびシステムの管理について説明しています。
第9章 障害時の運用
共有メモリ領域を解放する方法,障害時に取得する情報,障害時の対応方法などについて説明しています。
第10章 コマンドリファレンス
コマンドを実行できるユーザー,実行時の注意,使用方法,書式などについて説明しています。
付録A HiRDBのRDエリアの見積もり方法
HiRDBを利用する場合に必要な格納先RDエリアの算出方法について説明しています。
付録B 電文履歴格納用テーブルの設定項目
MPNセンタとの間で送受信した電文を格納する電文履歴格納用テーブルの設定項目について説明しています。
付録C 通信サーバヘッダー部のフォーマット
金融業務プログラムとの間で送受信する通信サーバヘッダー部のフォーマットについて説明しています。
付録D エラー内容の分類
通信サーバヘッダー部の位置コード,および要因コードからわかるエラー内容について説明しています。
付録E 用語解説
このマニュアルで使用している用語の意味を説明しています。

関連マニュアル

このマニュアルに関連するマニュアルを次に示します。必要に応じてお読みください。

なお,このマニュアルでは,次のマニュアルを省略して表記しています。マニュアルの正式名称と,このマニュアルでの表記を次に示します。

マニュアル名称このマニュアルでの表記
高信頼化システム監視機能 HAモニタ高信頼化システム監視機能 HAモニタ
高信頼化システム監視機能 HAモニタ AIX(R)編

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読むことができます。利用目的別に次の流れに従ってお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

このマニュアルでの表記

このマニュアルで使用する英略語を次に示します。

英略語英字での表記
APApplication Program
APIApplication Programming Interface
ATMAuto Teller Machine
CUPClient User Program
DBData Base
HAHigh Availability
JAMMOJapan Multi-Payment Network Management Organization
MPNMulti Payment Network
MTMagnet Tape
OSOperating System
PCPersonal Computer
RPCRemote Procedure Call
SPPService Providing Program
SQLStructured Query Language
SUPService Using Program
TCP/IPTransmission Control Protocol/Internet Protocol
UAPUser Application Program
WSWork Station

このマニュアルでは,製品名称および名称について次のように表記しています。ただし,それぞれの製品についての表記が必要な場合は,そのまま表記しています。

製品名称このマニュアルでの表記
Advanced Interactive eXecutive 5L Version 5.1AIX 5L
Advanced Interactive eXecutive 5L Version 5.2
Advanced Interactive eXecutive 5L Version 5.3
HiRDB Advanced High AvailabilityHiRDB
HiRDB High Availability
HiRDB/Parallel Server Version 6HiRDB/Parallel Server
HiRDB/Parallel Server Version 7
HiRDB/RunTime Version 6HiRDB/RunTime
HiRDB/RunTime Version 7
HiRDB/Single Server Version 6HiRDB/Single Server
HiRDB/Single Server Version 7
Hitachi Multi Payment Network communications server Base通信サーバBase
Hitachi Multi Payment Network communications server for Bank通信サーバfor Bank
Hitachi Multi Payment Network communications server for Biller通信サーバfor Biller
TP1/Client/WOpenTP1
TP1/Extension 1
TP1/High Availability
TP1/Server Base
マルチペイメントネットワーク共通ソフトウェア共通ソフトウェア

次のソフトウェアを通信サーバと表記しています。

また,このマニュアルでは,JAMMO(日本マルチペイメントネットワーク運営機構)での呼称を,次のように表記しています。JAMMOでは,一般料金の場合の「請求情報」と,地方税,地公体料金の場合の「納付情報」を総称して「請求情報」と呼びます。このマニュアルでは,「収納情報」が総称となります。

JAMMOでの呼称このマニュアルでの表記
請求情報請求情報(一般料金の場合)収納情報請求情報(一般料金の場合)
納付情報(地方税,地公体料金の場合)納付情報(地方税,地公体料金の場合)

このマニュアルで使用する文法記号

このマニュアルで使用している文法記述記号を次に示します。

文法記述記号意味
[ ]この記号で囲まれている項目は省略できることを示します。
(例) [A]
「何も指定しない」か「Aを指定する」ことを示します。
{ }この記号で囲まれている項目のうち一つを選択することを示します。
(例) {Y|N}
「Y」または「N」を選択することを示します。
|選択する項目の区切りを示します。
(例) {Y|N}
「Y」または「N」を選択することを示します。
この記号の前に示された項目が,記号~に続く< >,(( ))などの規則に従わなければならないことを示します。
< >ユーザー指定値の構文要素を示します。
(例) <パス名>
パス名を指定することを示します。
(( ))ユーザー指定値の指定範囲を示します。
(例) ((0~16))
0から16の範囲で指定することを示します。
:この記号と一緒にパス名が記載されている場合,パス名が連続していることを示します。

このマニュアルで使用している構文要素記号を次に示します。

構文要素記号意味
<アルファベット>A~Z,a~z
<英字>アルファベットおよび「_」(アンダースコア)
<英数字>英字と数字の並びから成る文字列
<識別子>先頭にアルファベットを使用します。2文字目以降は,英数字を使用できます。
<パス名>英数字記号,「/」(スラント),「-」(ハイフン),「,」(コンマ),「.」(ピリオド)
<符号なし整数>数字列(0~9)
<文字列>任意の文字の配列
注※
先頭では使用できません。

図中で使用する記号

このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。

[図データ]

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

個所(かしょ),桁(けた),汎用(はんよう),必須(ひっす),紐(ひも),閉塞(へいそく),跨り(またがり)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。