4.2.4 通信サーバシステム定義の定義項目

通信サーバシステム定義を定義の種類ごとに説明します。

また,各定義ファイルの記述例については「4.5 定義ファイルの記述例(HA構成ではない場合)」,または「4.6 定義ファイルの記述例(HA構成の場合)」を参照してください。

<この項の構成>
(1) 共通定義
(2) ファイル転送機能定義
(3) ファイル転送機能HA定義

(1) 共通定義

共通定義の項目を次の表に示します。共通定義は,[COMMON]タグのセクションに記述します。

表4-2 共通定義

定義名定義内容定義値の条件推奨値意味
CENTER_CODEセンタコード<英字の大文字,記号,数字>(10桁)自センタコードを指定します。この定義値を基に,通信サーバBaseは共通ソフトウェアのキューマネージャー名を決定します。
(凡例)
-:該当なし
注※
使用できる記号については,MPNの仕様に従ってください。

(2) ファイル転送機能定義

ファイル転送機能定義の項目を次の表に示します。ファイル転送機能定義は,[HMPN/FT]タグのセクションに記述します。

表4-3 ファイル転送機能定義

定義名定義内容定義値の条件推奨値説明
FILE_WATCH_TIME受信ファイル監視周期(単位:秒)<符号なし整数>((5~60))10受信ファイル格納ディレクトリを監視する周期を指定します。
C_FILE_DIR_NAME受信ファイル格納ディレクトリ<パス名>(1~PATH_MAX文字)※1受信ファイル格納ディレクトリ名を絶対パスで指定します。
MPN_SOFT_ENV_FILE共通ソフトウェアのファイル転送用環境設定ファイル<パス名>(1~PATH_MAX文字)共通ソフトウェアのファイル転送用環境設定ファイル名を絶対パスで指定します。
MPN_SOFT_MQ_STT_SH共通ソフトウェア起動コマンド<パス名>(1~PATH_MAX文字)※2共通ソフトウェアの起動コマンドを絶対パスで指定します。
MPN_SOFT_MQ_STP_SH共通ソフトウェア停止コマンド<パス名>(1~PATH_MAX文字)※2共通ソフトウェアの停止コマンドを絶対パスで指定します。
MPN_SOFT_RCV_STT_SHファイル受信常駐プロセス起動コマンド<パス名>(1~PATH_MAX文字)※2ファイル受信常駐プロセス起動コマンドを絶対パスで指定します。
MPN_SOFT_RCV_STP_SHファイル受信常駐プロセス停止コマンド<パス名>(1~PATH_MAX文字)※2ファイル受信常駐プロセス停止コマンドを絶対パスで指定します。
TRC_FILE_SIZEプロセス別トレースのファイルサイズ(単位:バイト)<符号なし整数>((4,096~2,147,483,647))150,000※3一つのプロセス別トレースファイルの最大サイズを指定します。
TRC_FILE_NUMプロセス別トレースファイル数<符号なし整数>((1~16))7※3プロセス別トレースのファイル数を指定します。
TRC_LEVELトレース出力レベル<符号なし整数>{0|10|20|30}10※4トレース出力レベルを指定します。
TRC_PRC_LEVELプロセス別トレースのしきい値<符号なし整数>{0|10|20|30}0※4プロセス別トレースのしきい値を指定します。
TRC_SHM_LEVEL統合トレースのしきい値<符号なし整数>{0|10|20|30}0※4統合トレースのしきい値を指定します。
RAW_NAME_STAT状態管理ファイル用ロウ論理ボリューム名※5<パス名>(1~PATH_MAX文字)状態管理ファイル用ロウ論理ボリューム名を絶対パスで指定します。
RAW_NAME_FLIST受信ファイルリスト用ロウ論理ボリューム名※5<パス名>(1~PATH_MAX文字)受信ファイルリスト用ロウ論理ボリューム名を絶対パスで指定します。
CHANNEL_NAME共通ソフトウェアのキューマネージャーのチャネル名<文字列>
半角文字だけ使用できます。
共通ソフトウェアのキューマネージャー(ファイル転送用)を作成した際に指定したチャネル名を「送信チャネル1:受信チャネル1,送信チャネル2:受信チャネル2」の形式で指定します。指定する順序は,MPNセンタ1系サーバへの送信チャネル,同受信チャネル,MPNセンタ2系サーバへの送信チャネル,同受信チャネルの順です。
指定できるチャネルは,最大で100系です。なお,最低でも1系分の送受信チャネルを指定する必要があります。
文字列を区切る場合は,「:」または「,」を使用してください。※6
(凡例)
-:該当なし
注※1
共通ソフトウェアのファイル転送用環境設定ファイル内の「CFileDirName」の値と同一の値を設定してください。なお,HA構成で通信サーバBaseを構築する場合は,受信ファイル格納ディレクトリを共有ディスク上に作成することを推奨します。受信ファイル格納ディレクトリを共有ディスク上に作成しないときは,系切り替え時に受信ファイルの扱いに注意する必要があります。詳細については,「3.3 共通ソフトウェアのインストールと環境設定」を参照してください。
注※2
共通ソフトウェアのマニュアルを参照し,適切なファイル(シェル)を指定してください。
注※3
見積もり方法については,「4.4.1 トレースファイルの見積もり」を参照してください。システム構築時に,テストを実施する場合を除き,プロセス別トレースファイル数は2以上を指定してください。
注※4
次のような場合を除き,トレース出力レベル,プロセス別トレースのしきい値,および統合トレースのしきい値は推奨値を指定してください。
  • システム構築時に,テストを実施するとき
  • トラブルシュート時に,詳細な障害情報が必要になったとき
トレース出力レベル,プロセス別トレースのしきい値および統合トレースのしきい値の詳細については,「4.4.2 トレースの出力レベルとしきい値」を参照してください。
注※5
ロウ論理ボリュームについては,「3.4.5 ロウ論理ボリュームの作成」を参照してください。また,ほかのロウ論理ボリューム名と異なるロウ論理ボリューム名を指定してください。
注※6
チャネル名を複数行に分けて指定する場合は,次のように指定してください。

CHANNEL_NAME="TO.F0000000000:TO.F9999900000,",
            "TO.F0000000001:TO.F9999900000"

(3) ファイル転送機能HA定義

ファイル転送機能HA定義の項目を次の表に示します。ファイル転送機能HA定義は,[HMPN/FTHA]タグのセクションに記述します。ファイル転送機能HA定義は,HA構成で構築する場合にだけ必要です。

表4-4 ファイル転送機能HA定義

定義名定義内容定義値の条件推奨値説明
SRV_NAMEHAモニタの監視対象サーバ識別名<アルファベットおよび数字>(1~8文字)
ただし,先頭にはアルファベットだけを指定できます。
監視対象サーバ識別名を指定します。HAモニタのサーバの環境設定の「alias」と同じ値を指定してください。
(凡例)
-:該当なし

注意
通信サーバBaseだけでなく,通信サーバfor Bankまたは通信サーバfor Billerも合わせてHA構成で構築する場合は,「SRV_NAME」を定義しないでください。ただし,タグ名([HMPN/FTHA])は,記述する必要があります。